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絵本『ぎゅっ』抱っこが大好きな赤ちゃんと一緒に読めばハッピー

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抱っこ大好きな赤ちゃん達にオススメの絵本「ぎゅっ」。

言葉なんていらない、文字だって読めなくて大丈夫!

この絵本にはただ見るだけで、ぎゅっと抱きしめあう喜びと幸せをくれる魔法がかかっています。

 

 

 

簡単なあらすじ

森の中で迷子になった子猿、たまたま出会った象の親子と一緒にお母さんを探します。

 ライオンの親子、キリンの親子、カバの親子、次々に色々な動物の仲良し親子が出てきて、みーんな「ぎゅっ」と抱っこしています。

みんなと一緒に探してみても、子猿のお母さんはどこにもいません。

子猿のお母さん、一体どこに行ってしまったの~~??

 

 

絵本の紹介

躍動感のあるメリハリの利いた海外らしい絵柄、文章はほぼなし。

主なせりふは「ぎゅっ」のみで、他は猿の親子の名前である「ママ」「ジョジョ」が出てくるだけ。

絵こそ端から端までびっちり描きこまれていますが、赤ちゃん向けらしく、構成はとてもシンプルな絵本です。

 

実は……上に述べた「簡単なあらすじ」も、実際には文章でSンなストーリーは書かれていません。

私が絵から読みとった内容を勝手に書いただけ……でも、多分読んだ方は皆同じようなストーリーになるはずですよ。

なにしろ、動物達が顔いっぱいに浮かべる豊かな表情と全身を使ったジェスチャーで、喜怒哀楽がびんびん伝わってくるんですよねー。

子猿のジョジョが可愛くって、不安いっぱいの八の字眉からの満面の笑顔、には胸がキュン!

もう、「抱っこ大好き、お母さん大好き、ぎゅっと抱っこしてー!!」の気持ちが画面いっぱいに溢れてるんです。

大好きなお母さんと抱っこするのは、し・あ・わ・せ!!

シャイと言われる日本人、ちょっと見習った方が良いのではと思うくらい、登場する動物達は感情豊か。

言葉がなくても、気持ちって伝わるんですねー。

絵を見る、つまり視覚で伝わる情報量の多さと多彩さを再認識させられますよ。

 

 

そう言えば、人間のコミュニケーションで言語が占めている割合は、存外低いらしいですね。

コミュニケーションスキルは会話による言語内容が1割、身振り手振りや表情などの非言語コミュニケーションが9割を占めている説があるそうですよ。

まあ、この説が完全に正しいかは議論の余地があるかとは思いますが、非言語コミュニケーションの重要性は確かです。

 

だって、考えてみてください、言葉もろくに通じない、会話内容も正確に理解していない赤ちゃん達がまず何を元に周囲とコミュニケーションをとっているかと言ったら、それは表情や身振り手振りや声の高低差などでしょう?

笑顔を浮かべたり、甘えて抱っこしたり、物を指さしたり……赤ちゃんが最初に習得するのは、まず非言語コミュニケーション。

この絵本は、元々ジェスチャーの豊富なアメリカの絵本というだけあってか、絵の中に紙面で表現できる限り、その非言語コミュニケーションをとことん取り入れてあり、ものすごーくわかりやすいんです。

おそらく、余程の文化的差異がない限り(そもそも赤ちゃんなんて、頭の中身は世界共通だと思いますけど)、暮らす国や文化圏が違っても、ジョジョ達の姿から読み取る内容にそれほどの差は生じないんじゃないかな?

この絵本、言葉だけでなく絵で情報を伝達する絵本の強みと非言語コミュニケーションの組み合わせが特に相性良く組み合わさっていて、赤ちゃん絵本として、とても良い出来ですよ。

 

 

我が家の読み聞かせ

白状しますと、私は最初、この絵本をあまり好きではなかったんです。

いかにもアメリカ~ンな濃いめの絵が好みじゃなくて、「絵が微妙……」と思いつつも手に取ったという、作者さんや出版社にはなんだか申し訳ないファーストコンタクト。

でも、読んでみたら即座に前言撤回、これは素敵な絵本!

 

沢山の動物が出てきて抱っこをする様がわかりやすいのか、長男2歳で初めて読んだ時は初回でコンセプトを理解しましたよ。

当時、絵本を読む時は、私の胸にもたれる形でひざの上に座っていたのですが、この絵本の時は向き合って抱っこの状態で読むのが好きでした。

「ぎゅっ」というせりふを読むたびに、抱きしめてあげると至福の表情でにっこにこ。

むしろ手を広げて、「ぎゅっ」としてもらうのを待っていたんですよ。

抱っこをしてほしい気分になれば、この絵本を持ってきてせがむ事もしばしば。

幼児にとって、こんなにわかりやすくて、自分から読み聞かせを楽しめる絵本と知っていれば、もっと早くに1歳の頃から読んだのに……中身を確認もせずに選り好みをしていた自分に反省です。

この教訓を生かし、次男の時には1歳手前から読み始め、とことこ歩き始めた頃には、猿の親子がお互いに駆け寄って抱き合う場面のごっこ遊びを沢山楽しみました。

 

我が家で読み聞かせをする時は、上記で述べたようなお話をオリジナルでつけています。

もちろん見るだけでも楽しめますが、即興でお話を考える方が私は読み聞かせしやすいんですよね。

「子猿のおかあさんはどこにいるんだろうね~~」と首をひねりながら、困った顔で読むのがお決まり。

5歳次男、この絵本の対象年齢としては随分大きくなっているはずなのですが、今でも一緒になって「どこだろうね~~?」と探すふりをするのが大好きです。

今や7歳となった長男、既この絵本を卒業……のはずが、次男に読み聞かせをしていると、横から現れて「ぎゅぎゅぎゅっ!」とハグをしてもらいたがる甘えん坊に変身!

私の方も「今日は2人を抱っこしたいなあ」と思ったら、この絵本を手に取ります。

 

この絵本の読み聞かせを通して、抱っこをする幸せを沢山もらった今は、とっても大好きな1冊になりました。

 

 

まとめ

低年齢の幼児を抱える方やスキンシップで愛情を伝えたい方には、ぜひ手に取って頂きたいですね。

仕事や家事が忙しくて大変だけれど、「ぎゅっ」を読む時だけは、ゆっくりたっぷり抱っこしてあげる時間 ……というのも良いのではないでしょうか?

うまくリクエストができない子にとっても、抱っこしてほしいとメッセージを送る事ができるツールになってくれます。

きっと子供だけでなく、自分も幸せな時間を過ごせますよ。

 

 

作品情報

  • 題 名  ぎゅっ
  • 作 者  ジェズ・オールバラ
  • 出版社  徳間書店
  • 出版年  2000年
  • 税込価格 1,540円
  • ページ数 32ページ
  • 我が家で主に読んでいた年齢 1~3歳(1歳前後から読んで、沢山ぎゅっ!)