絵本むすび

ちびっ子兄弟へ贈る絵本・児童書の読み聞かせブログ

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絵本『給食番長』笑いあり涙あり、小学校低学年にオススメ!

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絶対に給食を食べたくない番長VS給食のおばちゃん達、世紀の対決が今始まるっ!

小学1年生には特に大ウケするであろう、インパクトの強さと面白さ。

これは読まないと損かもしれません、まずは試食ならぬ試し読みはいかが?

 

 

絵本の紹介

わんぱく小学校の給食の時間、1年2組では番長と仲間達が大暴れ!

2組のみんなは入学以来、給食を残して遊んでばかりで、まともに食べた事がありません。

せっかく作った給食を食べてもらえない給食のおばちゃん達の嘆きと怒りは深まる一方……果たして、番長達と給食のおばちゃん達との熱い闘いの行方はどーなる!?
 

 

 

笑いと汗と涙、暑苦しいまでに熱気むんむんなストーリーと、昭和の歌謡ショーみたいなクドくて濃ゆい絵柄が絶妙にマッチ。

絵は好き嫌いが分かれるかもしれませんが、このデフォルメを利かせた絵は読んだら癖になりますよ~。

ページをめくるたびに怒涛の勢いがあり、声に出して読むと、寸劇を演じているような錯覚を覚えて、面白さ倍増。

謎のキモ可愛い(?)クリーチャーも絵のそこかしこに顔を出し、番長と取り巻きボーイズの固い友情、給食のおばちゃん達との丁々発止のやり取り、お涙頂戴&キャッキャウフフな和解など、味付け濃いめ、食べ応えならぬ読み応えがバッチリです。

 

この絵本の素敵な所は、食べ物を大事にする心、作ってくれた人への感謝が自然に備わる事。

食事は毎日の事ですから、食べる側はつい当たり前のように思って見落としがちですけれど、作る側は美味しさと栄養バランスとコストを考えて食事を作り、その為に食材の買い出しや下ごしらえ、皿洗いから掃除までを日々こなしているんですよね。

それを残すなんて、もったいない!!

目の前の食事、給食を食べる時にこの絵本の存在が頭の片隅にちらっとでもよぎれば、感謝の心、「もったいない」という気持ちが芽生える助けになるんじゃないかな。

もちろん、満腹なのに無理矢理食べるとか、アレルギーがあるのに食べるとか、嘔吐するくらい嫌いなのに食べるとかは別ですよ?

「いただきます」は、目の前の1食の為に関わってきた全ての人への感謝、命を食材として頂く感謝が込められている言葉。

人として大事な基本のキを学んだ番長達の笑顔が弾けるラストは爽やかです。

 

 

そして、この絵本のキモはやはり、番長の1度見たら忘れられない強烈なキャラクターでしょう。

太い眉毛に団子鼻、丸々としたほっぺ、常に給食帽をかぶり、なぜか首元にはピンクのよだれかけ。

大人から見たら困った言動を繰り返しても、憎めない愛嬌があるガキ大将で、とにかくカリスマ性がすごいんですよ。

クラスのみんなをグイグイ引っ張っていくリーダシップ。

給食のおばちゃん達の反乱に対し、みんなが責任転嫁して非難してきても、言い訳をする事もなく、「俺に任せろ!」と胸を叩き、学校全員の給食を作り切ってみせる漢気。

半泣きになっても、皿洗いや掃除などの後片付けを最後までやり切ろうとする責任感。

食べ物を無駄にするのは頂けませんが、全てにおいてエネルギッシュな番長が頼もしくてカッコいい!!

クラスのみんなが、番長パワーに巻き込まれていくのもわかる気がしますねえ。

その番長だって、まだまだ1年生の子供……最後にちゃんと反省し謝罪し成長する姿には、ホッとすると同時に軽い尊敬の念が湧きますよ。

自分の過ちを認めて直していくというのは、大人でも難しいものですからね、私も番長を見習わなければ。

 

 

ちなみに、今時は「給食の先生」という呼び方も普及しているそうですが、本作では親しみを込めて敢えて、昔ながらの「給食のおばちゃん」という呼び方にしているそうです。

へー、私が子供の頃は普通に「給食のおばちゃん」以外の呼び方なんて考えもしませんでしたけど、今のご時世はそういうのも気にするんですね、時代だなあ。

実際に現場ではどうなんだろうと、とある給食室で児童300人分の給食を作っている現役調理士の友人(アラフォー女性)に、呼び方について聞いてみましたら、「給食のおばちゃんと給食の先生、どっちも使われてるかな。私はどっちでもいいよー。そもそも教師じゃないし、子供からしたら、大人は基本おばちゃんおじちゃんだしね。そんな事より、残さず食べてくれて『美味しかった!』と言ってもらえたら、すごく嬉しいわ」との事。

呼び方には地域差もあるのかもしれませんね。

でも、作ってくれる人への感謝と尊敬を忘れないように、子供には教えていきたいものです。

 

 

この絵本は、オマケ要素のお楽しみがあるんですよ。

まず、よしながこうたくさんが福岡県出身の為、実際にご本人が地元で使っていらした博多弁バージョンのセリフ付き。

方言の豊かさと面白さに絵本で触れられる機会は少ないので、これはなかなか面白いアイデア!

博多弁バージョンで読むと、絵の勢いによりマッチしたストーリーになり、絵本全体の味わいが変化して楽しめますよ。

そして、表紙裏には給食番長すごろくや、紙を切り抜いて遊ぶ「とんとん相撲」も付いています。

よしながこうたくさんにとっては、本作が初めての絵本だそうですが、最初から最後までみっちり子供を楽しませようとエンターテイメントに徹する気持ち、給食を巡る子供達へのメッセージがぎっしり詰まってますね。

 

 

これだけ面白い絵本ですから、当然人気作ともなり、今では番長の仲間達が順々に主人公を務めるシリーズも出ています。

どれも小学校での大切な要素である、飼育係・あいさつ・掃除・登校をそれぞれのテーマに、相変わらずのフルパワーで描かれており、楽しめる事請け合いですよ。

図書館で一気にまとめて借りてみるのも一興です。

 

我が家の読み聞かせ

我が家のちびっ子兄弟、毎回大爆笑間違いなしのお気に入りでして、私も読む時はノリノリ。

7歳長男は自分の小学校の給食事情と重ね合わせて読んでいて、「ぼくは残さずにちゃんと食べてるよ」「ぼくの小学校の給食はおいしいよ!」「ひじきはサラダじゃなくてご飯に入ってるのが好きだなあ」と沢山お喋りしてくれます。

それを聞いて、5歳次男はいずれ自分が通う小学校へ思いを馳せてワクワクする、の構図。

もしクラスに番長がいたらどうする?

大好きな黄な粉揚げパンの日なのに、食べずに遊びに行こうと言われたらどうする?

給食のおばちゃん達がいなくなったらどうする?

などと、様々な「どうする?」を考えて話をしていますが、食いしん坊長男は一貫して給食ファーストを貫くそうです。

 

 

それにしても、日本の給食って恵まれてますよねえ!

給食ではなくお弁当の地域もありますし、給食のまずさや品数の少なさで論争になっている地域もありますけど、それでもちゃんとした給食が提供されている学校がいかに多い事か!

日本以外の国を見れば、そもそもここまで栄養と味と衛生面に配慮された一定レベル以上の給食を公立私立問わず安定供給している国なんて、なかなかないですよ。

日本の学校教育は海外と比べて批判される事も多いですけど、給食については優秀だなと献立表を見るたびに感じます。

あー、私も数十年ぶりに給食を食べたくなってきたかも……子供の頃、転校を何回か経験した中で一番美味しかった学校の給食をまた食べたいなあ。

 

 

まとめ

どうでしょう、ここまでお読み頂きましたが、給食番長に会ってみたくなりましたか?

それとも、懐かしの給食が食べたくなりましたでしょうか?

どちらにせよ、今まさに小学校へ通っている子供達には、給食への感謝を学べる良い機会になりますから、オススメです。

 

え、お弁当を持参する地域の場合はどうしたら良いかって?

……うん、お弁当だって毎日愛情込めて作っているんです、しかも給料なし、無償で!

どうぞ給食をお弁当に置き換えて、読んでみてください。

 

 

【作品情報】

  • 題 名  給食番長
  • 作 者  よしながこうたく
  • 出版社  好学社
  • 出版年  2014年
  • 税込価格 1,650円
  • ページ数 約32ページ
  • 我が家で主に読んでいた年齢 6~7歳(特に小学1年生へオススメ)