絵本むすび

ちびっ子兄弟へ贈る絵本・児童書の読み聞かせブログ

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絵本『おたすけこびと』ファンタジーと現代技術のコラボが技あり!

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 小人が重機でケーキを作るというアイデアが光ります!

これは絶対面白いでしょと思ったあなた、大正解ですよー。

アイデアの良し悪しが絵本の出来を左右する実例、それが「おたすけこびと」です。

 

 

絵本の紹介

とある男の子の誕生日、家族みんなでお出かけします。

でも、ママは出かける前に電話を一本掛けました。

電話を掛けた先はなんと、こびと!?

ママは一体何をこびとに頼んだのかな……おたすけこびと、出動しまーす!

 

 

 

なんといっても、小人+重機+ケーキのアイデアが秀逸。

小人が家にいるかも……という夢がどれだけ心弾むものか、どれだけ昔から多くの人が夢見てきたか、有名どころではイギリス児童文学「床下の小人たち」(ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作)でご存じの方もいらっしゃるでしょう。

 

 

 

 

その小人という伝統的なファンタジーへ、重機という現代テクノロジーのリアルをうまく組み合わせて、電話をすればもしかしたら我が家にもおたすけこびと達が現れるかも……と思わせる辺りは、心憎い仕掛けです。

ショベルカー、ダンプトラック、ブルドーザー、ミキサー車など様々な重機を乗りこなす小人達。

しかも、彼らが作るものは、子供が好きなものトップに入るであろうケーキ!

これは子供ならば、この3要素のどれかには引っかかる可能性高いんじゃないですか?

一体どんな風にケーキを作るんだろうと、見ているだけでワクワクが止まりません。

 

昔話の「靴屋の小人」のように、家に人がいない間に小人が働いてくれる話は元々ありましたけれど、現代の小人は重機を使いこなして、効率的な作業分担の元で土木工事(?)をするんですから、大したものですね。

昔懐かしいピクミン(昔の人気ゲーム「ピクミン」に出てくる謎の生き物)を連想する小人達が、服装の色分けごとに役割分担しているのは、見ているだけでワクワク。

みんなで力を合わせて、せっせとケーキを作る小人達それぞれの働きぶりや、どの重機が何の仕事をしているのかを見るのが実に面白くて、見飽きません。

表紙や見返しに至るまで、小人達の行動が細かく描きこまれているのも、世界観が徹底していますね。

出来上がったケーキをママが得意顔で運ぶ場面、ぜひ窓辺のチェックをお忘れなく!

 

 

重機の絵は細かいところまでリアルな反面、小人はごくシンプルに描き分け。

色の塗り方もぼかしなどはタイヤやケーキなど最低限の使用に絞り、基本は単色。

背景も基本白のみで描きこみがないので、小人がわらわら並んでいても画面がうるさくありません。

幼児にとって、目を惹くカラフルさ・画面からの情報量・見やすさのバランスが取れています。

低年齢の幼児向け絵本ですので、文は一言二言と非常に短いものの、絵の細かいところを楽しめる特性のせいか、年齢的には結構長く楽しめるのも特徴ですね。

 

タイトル文字もカラフルで可愛いんですよ、表紙を見ただけで「これはなんだか楽しそうな絵本だぞ」という雰囲気がプンプンします。

そして、表表紙と裏表紙を一気に広げれば、見開きの大きなクレーン車が登場して、迫力満点!

どのページにも共通している事ですが、小人達がチマチマしたサイズな分、重機の大きさに迫力が出ているんですよね。

実際に紙面に描かれた重機のサイズ的には、本来そこまで大きさを感じるページにはならないはずなんですが、なにしろ運転している小人がミニサイズですから、対比によって大きさを感じるというのが、これまた上手い……!

 

 

これだけ良くできた絵本ですから、当然シリーズ化もしています。

重機を操る小人達が次は一体何をお手伝いするのか、どんな働きぶりを見せるのか、毎回ワクワクする絵本シリーズで、2021年6月時点で合計7冊。

どれを最初に読んでも大丈夫、小人達の活躍を思う存分、お楽しみ頂けますよ。

 

 

我が家の読み聞かせ

車大好きな我が家のちびっ子兄弟のお気に入り絵本で、相当長い期間、我が家の本棚の第一線にて活躍してくれました。

主に読んでいたのは兄弟共に1~3歳頃ですが、5歳を過ぎても時々読み聞かせリクエストに持ってきていたくらいです。

何回も読み過ぎたおかげで、表紙もページも取れかけてバラバラ寸前……でも、それだけ読み込んでくれたならば、この絵本を買った甲斐があったと嬉しくなりますね。

 

もしご家庭にてミニカーをお持ちの場合は、小人達が使っている重機がまさにミニカーのショベルカーやトラックなどと同じくらいのサイズだね、と話してあげれば、目を輝かせて喜びますよー(絵本と見比べて、おたすけこびとごっこをするのもオススメ)。

我が家では、手持ちのミニカーと見比べたり、車図鑑代わりに楽しんだり、美味しそうなケーキを食べるふりしたり、自分達もお菓子作りをするままごとをしてみたり、小人がどこで何をしているかクイズを出したり……1冊の絵本で何通りもの楽しみ方ができて、かなりお得感があります。

そして、読み聞かせ最後には「ハッピーバースデー!」と言いながらロウソクを吹き消す真似をするのがお約束。

もし、誕生日に小人がケーキを作りに来てくれたら、どんなケーキにする??などとお喋りするのも楽しかったですねー。

長男はチョコレートたっぷりのガトーショコラ、次男はイチゴのショートケーキ、をリクエストしたいそうです。

 

 

しかし、主婦及び主夫の方ならば共感頂けると思うのですが、自分の所にもおたすけこびとに来てほしいですよね~。

仕事ぶりが勤勉で技術力も高い彼らに、自分だったら何を頼もうかな……読み聞かせをしながら、そんな大人目線での妄想が広がります。

私は小人達に窓のサッシの清掃を頼みたいかな……端っこの部分って汚れが溜まって取りにくいですけど、小人達のサイズならピカピカにできるんじゃなかろうか……。

夢のある絵本の話のはずなのに、生活感あり過ぎなお願いで夢がないのはお許しください。

 

 

まとめ

もしも、小人がお手伝いをしに現れたら……の夢いっぱい、アイデアいっぱい、工夫もいっぱいの素敵な絵本。

本屋でも図書館でも良いので、まずは1冊読んでみて下さい。

 男の子も女の子も関係なく、読めばたちまち、おたすけこびとと仲良しになってくれるはずですよ。

 

 

【作品情報】

  • 題 名  おたすけこびと
  • 作 者  ナカガワチヒロ(文)・コヨセジュンジ(絵)
  • 出版社  徳間書店
  • 出版年  2007年
  • 税込価格 1,650円
  • ページ数 約33ページ
  • 我が家で主に読んでいた年齢 1~3歳(男女問わずに大人気)