絵本むすび

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1,000冊持っていればOK?読み聞かせに重要な絵本の数とは!

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子供と一緒に読み聞かせを楽しむ皆様、絵本を何冊持っていますか?

絵本の数って、多ければ多いほど良いんでしょうか。

沢山持っていたら、それでいい?

読んだ冊数が多ければ多いほど、それでいい?

読み聞かせに必要な絵本の「数」って何の数なのか……ちょっと考えてみますよ!

 

 

 

我が家の絵本の数

我が家には長男7歳・次男5歳の2021年時点で、手持ちの絵本・児童書が450冊以上あります。

私個人の知り合いの範囲内で比較すれば、冊数はそこそこ持っている方ですね。

が、それは井の中の蛙というもの……世の中には1,000冊以上揃えている方は沢山いらっしゃいます。

正直に言えば、すっごく羨ましいーーーー!!!

 

絵本が手元にあれば、好きな時に好きなだけ読めますからねえ。

1,000冊あれば、1,000冊を好き放題に読める、まさに絵本好きには夢の環境。

でも、絵本を揃えるのはお金がかかるので、その数を揃えるのは、我が家の家計的に無理なんですよ……以前、当ブログにて取り上げましたように、古本屋を利用したとしても、やはり厳しい!

 

ehonmusubi.hatenablog.jp

 

私は子供の頃、大人の背丈ほどの大きな本棚にぎっしり絵本を持っている絵本長者でしたが、それは親戚やご近所さんからのお下がりを頻繁かつ大量に貰っていたから、という事情によるもの。

そんな絵本のお下がりを貰い放題の環境にない一般庶民の我が家には、手持ちの絵本を自力で4桁買い揃えるとか、夢のまた夢。

絵本が万単位で揃っている図書館こそが我が家の第二の本棚よ、とは思いつつも、若干負け惜しみが入っているのは否めません。

だって、図書館の本はさすがに24時間いつでも自由に自宅で読める訳ではありませんからね……。

 

 

絵本を「持っている数」

絵本の中には、それぞれ作品ごとに違う物語、違う世界が広がっています。

絵本を持っていれば、その絵本の世界を詳しく知るチャンスをいつでも貰えるという事ですから、所有するメリットはやはり大きい!

所有する絵本の冊数が、子供の絵本生活にとって大きな要素であるのは間違いありません。

 

 

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ただ……持っているだけで読んでいなかったら、その絵本はただのインテリアです。

持っていても、1年に1回しか読んでいない絵本。

所有する事に満足して、そのまま放置されている絵本。

買ったは良いけれど、見向きもされず、本棚でほこりを被っている絵本。

うーん、もったいないですねー、宝の持ち腐れ状態!

でも、絵本に限らず、子供だろうが大人だろうが、結構ありがちな話ではないでしょうか。

 

持っている、だけじゃダメみたい……じゃ、大事なのは「読んだ数」?? 

 

 

 絵本を「読んだ数」

そうそう、絵本はやはり読んでこそ!

当たり前ですけれど、読まなければ何も始まりませんよね、「読んだ数」は大事です。

けれど、「読んだ数」って、これまたどういう意味?

10冊の絵本を1回ずつ読むのと、1冊の本を10回読むのとでは、違います。

1か月に100冊違う絵本を読むのと、1か月に10冊の絵本を10回ずつ読むのと、トータルが同じ100回でも、やはり違いますよね。

さて、どちらで考えていきましょうか??

 

 

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この「読んだ数」に関しては、人それぞれの考え方をお持ちでしょうが、私は後者、1冊の本を10回、1か月に10冊の絵本を10回ずつ読む方を支持します。

つまり、絵本を数重視で読むよりも、量は少なくても1冊1冊じっくり読む方を重視ですね。

私がこのように考える理由は2つあります。

 

 

第一の理由:記憶の定着

まず、1つめの理由は、1度読んだだけでは絵本の内容が頭を素通りするだけだから。

 

絵本に描かれた物語や情報の全てを1度見ただけで受け取るのは、大人でも完璧にできるとは言い難いのに、ましてや読解力や観察力の低い子供にとって難しいものです。

読み聞かせた当日ならば、おおまかな話をザックリとなぞる事はできるでしょうが、すぐに記憶は曖昧になっていくでしょうね。

 

 

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そもそも人間は忘れる生き物、情報の刷り込みを何回も繰り返す事で記憶はやっと定着するようになっています。

絵本を1度読んだだけで、定着なんてまず見込めません。

記憶が定着しなければ、後々の理解や深い共感へ繋がる道のりも存在しません。

絵本から何かを感じ取ったとしても、それが一時的な記憶としてすぐに抜け落ちてしまえば、心の表面を上滑りするだけで終わってしまいます。

 

年齢を重ねて、高度な読解力や理解力が身につけば、話は別ですよ?

また、1度でも強烈に心へ焼きつく絵本に出会う場合も確かにあります。

でも、読み聞かせを必要とする年齢の子供にとって、それは稀なケース。

大抵の絵本は、読んでも1回だけでは頭を右から左へとすっぽ抜けると思った方がよいです。

 

何度も繰り返してじっくり読み込む事で定着した記憶を子供自身が反芻できるようになって、初めて絵本の内容が頭の中に入り、その心に残った、と言えるのではないでしょうか。

 

 

第二の理由:繰り返しの重要性

2つめの理由は、子供にとっては繰り返しが重要だと考えられるから。

 

子供は繰り返すのが大好き、同じ遊びを繰り返し、同じ絵本を繰り返し読む……どの子供にも見られる行動ですよね。

大人は同じ絵本を10回も20回も読んだら、「もう勘弁して~!」となりますけれど、子供は「もう1回!」なんて日常茶飯事。

どうしてこんなに繰り返すのが好きなんだろう……と不思議になりますが、よーく考えてみれば、この繰り返しにはちゃんと意味があると思われます。

 

既に結果が分かっている、以前と同じプロセスを踏む事で得られる安心感。

周りが繰り返しを許容して自分の行動を認めてくれている、と感じる事で得られる自己肯定感。

この2つによる精神的な充足が子供の心理にプラスの効果があるんでしょうね。

 

 

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そして、何よりも、繰り返しには重要な学習機能としての役割があります。

そもそも、歩くのも喋るのも、人間は最初からできる訳ではなく、子供の頃の反復練習があってこそ習得できるものですよね?

「飽きたから喋るのやめるー」なんて言っていたら、大人になっても言葉を話せません。

飽きずに繰り返し繰り返し同じ行動・同じ思考パターンをなぞる事で、身体的な能力を獲得し、知的な成長を急激に進めていくのが子供。

繰り返す、というのは子供にとって効率的かつ本能的な学習行動でもあるのでしょう。

 

この繰り返し、もちろん絵本にも適用される行動。

同じ絵本を何回も繰り返す事で、子供は精神的な充足を得るのと同時に、その内容に関する情報を取り込み、記憶の定着を強化して、理解を深めていく……この精神的成長のプロセスの結果が、「読んだ絵本が子供の心に残る」なのではないかと、私は考えています。

 

 

本当に大事にしたい数は?

以上の2つの理由、記憶の定着と繰り返しに共通しているキーワードにお気づきでしょうか。

そう、どちらも最終的には、絵本の内容が「心に残る」、に辿り着くんですよね。

あ、私が重視しているのは、絵本を「持ってる数」ではなく、「読んだ数」でもなく、「心に残る数」なんだ……と気づく瞬間。

 

では、次に「心に残る数」とは何かを考えてみますね。 

 

 

絵本の「心に残る数」

絵本はそれぞれの世界の扉のようなもの……子供は読む事で、自分とは違う主人公になって違う物語を追体験できる世界へと入り込みます。

しかし、この扉、ちらっと開けるだけでは、ただ入口でノックするのと同じ。

中の世界へ深く踏み込んでいかなければ、自分のものにはなりません。

一冊一冊の絵本を繰り返し読み込み、どれだけその世界にどっぷり浸かって、自分のものとして心に取り込むか、がとても大事。

 

絵本に込められたメッセージ性を深く理解せよ、という意味ではありませんよ?

子供にそれを求めるのは早計ですし、成長していくうちに自分自身で理解を深めていけばよい話……大事なのは、わからなくてもいいから、考える事です。

絵本を読み、自分で感じて考えた経験を持つ事で、その絵本を自分のものとして取り込んでいくプロセス、それが子供には重要。

途中で生まれる疑問すらも、子供にとっては興味を持つと同意義、思考するという絶好の練習台にもなって、意味があります。

 

こうやって考えて、一度自分のものにした絵本は、詳しい内容を忘れてしまっても、心の底に沈んで、精神の血肉となってくれる……絵本は心の栄養、とはよく言ったものですね。

 

 

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大人側から見た読み聞かせあるあるだと思うんですが、最初初めて読む絵本だと思っていても、読み進めるうちに「そういえば、昔これ読んだかも!」と思い出して懐かしくなる経験ってありませんか?

それは子供の頃の自分がその絵本を読んで、ちゃんと自分のものにした経験と記憶が心の底に残り続けていて、些細なきっかけで浮かび上がってきたモノ。

忘れていた経験を思い出す、というのは私達人間が無意識下で当たり前に行っている行動ですが、その些細な経験の膨大な積み重ねが個人の人格を構成しているんですよね。

 

心の底に沈んで残っていた絵本は、現在に至るまでの人格を構成する小さな部品のひとつ。

思い出していないだけで、自分の心の底には一体何冊の絵本が沈んで、今の自分を形作っている基礎になっているのかな……と考えると、ちょっと凄い!と思いませんか。

そう考えると、今、目の前の子供の心にどれだけの絵本を残してあげられるのか、と改めて襟を正す思いがします(もちろん、これは絵本に限った話ではなく、音楽やスポーツ、他の経験でも同じ事が言えますが、ここは絵本ブログですので、絵本に焦点を絞ってます)。

 

 

まとめ:今を大事に読み聞かせる

結局、「持っている数」でも「読んだ数」でもなく、「心に残る数」が大事と思えば、冒頭で私が羨んでいた絵本1,000冊を手元に揃える夢も、結局そこまで重要ではないと気づきますね。

大事なのは目に見える物質として絵本ではなく、目に見えない子供の心に記録される絵本なのですから。

 

私は専門家ではなく、素人考えによるものですから、もしかしたら間違っている点もあるかもしれません。

でも、まずは手元にある1冊を一緒に何度でも読んでいこう……そんな気持ちがムクムクと湧いてきます。

 

 

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ちなみに、今の我が家にて絵本を沢山買っているのは、ある意味、親の私のエゴ。

白状しますと、自分が絵本好きだから、息子達にかこつけて揃えていると言ってもいいかも……。

息子達、絵本は好きな方ですけれど、やはり小さいうちは、親の私が自分の趣味で買い揃えて読み聞かせを主導している、という面が大きいですね。

子供にとっては、親の存在は大きく、その影響は絶大。

しかし、今は読み聞かせが好きな息子達も成長して、親である私の影響下から徐々に脱していけば、読書には一切興味がない大人になるかもしれません。

 

でも、それはそれで別に構いません。

数々の絵本の記憶が表面上は忘れられてしまったとしても、息子達の心の糧になればいい。

一緒に読み聞かせを楽しむ幸せな時間を過ごせた事実があれば、それで充分。

息子達の心に残る絵本の数をどれだけ増やしてあげらえるかな……その想いを忘れることなく、絵本を共に読んでいる今の時間を大切にしていきたいです。

 

 

なお、身も蓋もありませんが、一番理想なのは、沢山持っていて沢山読んで沢山心に残る、ですよ。

ぜひ、経済力と時間とやる気をお持ちの方は、挑戦してみて下さいね!